英検の弊害・・・合格からのアイタタタ?

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英検は「最低でもこれくらいはできるだろう~」というおおざっぱな目安にはなりますが、実力の証明にはなりません。英検5級を合格しても中1の実力の証明ではないのです。

なぜ?

理由はシンプル。2~5級はおよそ6割で合格できてしまうから、です。

5級ですと50点満点。30点ほどで合格します。筆記とリスニングが25点ずつですから、リスニングがパーフェクト(25点)なら、筆記はボロボロ(5点)でも合格するのです。

 「小さいころから英語を習わせているから5級くらい受かって当然」
と取得を急ぐ親御さんもいらっしゃるようですが、読めてもいないのに、リスニング力だけで合格しても百害あって一利なし、です。
 
「やったー!中学生に混じって5級受かった!中1レベルクリア~♪」
と自信を得て喜んだのも束の間、4級勉強に進んだ途端・・・。
 
・・・ワカラナイ。
 ↓
英語が苦痛になる
 ↓
辛くなってやめる
 ↓
小さい頃から習っても無駄だった・・・といわれる
 
ああ、なんと悲しい図式
 
本当に英語好きの子にさせたいなら、実力以上の級の「ダメ元受検」は心から慎重に!
問題集でまだ5割いかないくらいだったら潔く次回にするという選択もぜひ視野に。

英検塾とか英検コースなら、効率よく短い期間での合格実績が大切かと思います。そこが生徒と親のニーズですから。

でも児童英語の先生は、多くの方が長期にわたって生徒を見ます。長い目でいい結果が出る指導が重要です。
 
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何気なく見ていたバラエティ番組で東大のある先生がおっしゃっていました。
「美味しい!という料理が本当においしいとわかるのは5時間以上経ってからなんですよ。」

んん?という笑いが会場で起きていましたが、私は妙にそのフレーズが気に入りました。確かに「うま~い!!!」と唸るお寿司を食べても、数時間後にひどい腹痛起こしていたら、美味しい記憶はすぐ「食べなきゃよかった・・・」に上書きされるでしょう。
 
「あとからアイタタタの英検」(悲)。

実力を伴わない合格でも、合格をもらえば確かに気持ちが高揚して次も取るぞ、というやる気にもつながります。しかし結局、本当の自信にはつながらず、でも英検〇級持ってるしー!というプライドだけはある、というややこしい結果を生みがちです。

「英検、楽しかった!」
と本試験の帰り道にママに笑顔でささやいた子がいます。テストが楽しいの??とママはびっくりしたそう。自分の力をちょうどよく発揮できるテストは、受けるのが楽しい。そんなシンプルな事実を、彼女の一言で思い出しました。

特に英検4,5級は、ぜひ着実に力がついてから、きちんと読めるようになってから受けましょう!